2007年05月28日

松岡利勝農水相の死


 ううむ、松岡利勝・農林水産相が自殺したか。墓に持っていかねばならんほど重大な秘密を隠し持っていたんかなあ。
 実のところ、このニュースを知ったときに、不謹慎な書き方になるかもしれんけれど、「首相に殺された」と反射的に思うた。一連の不祥事(「ナントカ還元水」とかいう高価な水を税金で私用に購入していたというような使途不明金のことです)で野党から追及され、今年の参議院選挙でもそこを突かれるのは間違いなく、それでも大臣を辞職でけなんだ。
 松岡大臣はほんまは辞職したかったんやなかろうかと思う。首相にひきとめられ、辞職しようにもどうにもならんようになったんやないか、と。なにかというと矢面に立たされ、針のむしろに座らされ、耐えられんようになったんやないか。自殺したのは、自分の気持ちもわからずに親切ごかしに大臣辞職をひきとめた首相に対する抗議やったんやないか。
 いやもうこれはただ私の頭の中で勝手に考えたお話ですよ。そやけどね、これまでの内閣やったら、大臣というものは「失言」をしただけでもその椅子から去らねばならなんだやないですか。ましてや政治資金収支報告書のごまかしという、納税者を愚弄するようなことをしたんやから、松岡大臣が「辞めたくない」というても、首相が辞職を勧告して内閣と大臣本人を延命させるのが常やなかったか。ところが、しんぞう首相はかばいきれないものをかばおうとした。異常なことやと思う。
 トカゲの尻尾切りと批判はされるけれど、責任のある立場から解放してやることで、その政治家本人が救われる部分もあるんやないかなあ。
 別に「美しい国」を目指すなら目指したらええけれど、大臣が自殺せねばならんようになるというような内閣でほんまに「美しい国」がつくれるんか。これほどみっともなくみじめな死に方をせねばならなんだ松岡大臣が背負っていたものはなんやったんやろうね。納税者を愚弄するような行為は許されへんけれど、自殺するところまで追い詰めたんは誰やったのか。
 政争の犠牲者として、謹んで哀悼の意を表します。

posted by 喜多哲士 at 23:42| Comment(0) | TrackBack(0) | 追悼 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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