なによりも迫力が違う。演出のうまい「米朝の『らくだ』」も悪くはないけれど、熊五郎の「だだけ者」ぶりが冒頭の「おう、らくだ、いてるか!」という一言でずんとくるのは六代目ならではのものやね。
どこもはしょらずにじっくりとやってはるから、全部放送枠におさまるんかと心配していたら、やっぱりおさまりきらず時間がきたら「おなじみの『らくだ』でございます」とすぱっと切ってはった。はしょって味の薄いものにするくらいなら、途中で切れてもええからみっちりやるというあたりに、「らくだ」というネタへの六代目の思いというか筋目を通すというかそういうものが伝わってくる。
とにかくまったく残ってへんよりは途中で切り上げててもとにかく映像が残されているんやからそれでええとしよう。
それにしても、最近の落語家さんにはない力強さ、豪快さ、迫力がテレビというフィルターを突き破って伝わってきた。ほんま、こういうビデオはちゃんとDVDとして発売せなあかんよ。しつこいようやけれど、これだけはなんべんも訴えかけたいものです。
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ちゃんとDVDに保存しました。6代目の映像は少ないので貴重ですね。