2010年10月24日

クラシックで癒される?

 ひたすら録画したテレビ番組視聴と疲労回復の睡眠に徹した1日。
 深夜のテレビの録画を見たりしていると、特にUHFの通販CMで「癒しのクラシックCD10枚組」なんていう宣伝をしている。
「人々の心を癒し続けてきた名曲をみなさんのお手元に」
 妻と二人で「そうかなあ」と言う。
 どんなにやさしい旋律の曲であっても、胸をかきむしられるような思いで聴いた日もある。同じ曲が、演奏者によって心をかき乱すものになったり喜びをあふれさせるものになったりすることもある。勇ましい気持ちになったり、辛い時により心をえぐられるような気分を味わうために聴くこともある。高揚する気分を鎮静化させてくれた無機的な演奏もある。
 まあなんと申しましょうか、もう「癒し」なんていう紋切り型の形容をクラシックにしてほしくないわけよ、私は。何百年もいろんな人たちの耳に触れ、淘汰され残ってきた曲に「癒し」なんてレッテルはるかと思うのよ。クラシックを聴いて「難しい」と言う人は多々あるけど、「癒された」とか言うてる人はどれだけいるんかと思うのよ。
 私はクラシック音楽は「高尚」とは思わんけれど、難しく、奥深く、敷居の高いものではあると感じるわけです。それでも聴きこむことでその面白さがわかってくる。そういうものでしょう。「癒し」の一言ですまされるずんべらぼんなもんやないよ、これは。
 というわけで、こういうCDのセットを買うて「癒し」を求めるような方とは私は話が合わんのやろうね、きっと。
posted by 喜多哲士 at 23:05| Comment(0) | TrackBack(0) | テレビCM | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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