愛すれどTigers「再開リーグ戦はジャイアンツに連勝」を更新しました。
俳優のピーター・フォークさんが亡くなった。近年は認知症やったというような話も伝わっていたけれど、ついに神に召されたか。
むろん、ピーター・フォークさんというたら「刑事コロンボ」。小学6年生の私の心をつかんではなさなんだ。よれよれのレインコートにぼさぼさ頭。いたるところで葉巻の吸い殻を落とし、よたよたのプジョーには「ドッグ」という身も蓋もない名前の愛犬が。ビバリーヒルズの住人たちが起こす完全犯罪を、隙を作って油断させて追い込むその筋立てには、ミステリやSFをそろそろ本格的に読み始めた子どもにとっては日本の人情刑事ものにはない切れ味があってすっかり魅了された。
脚本家の三谷幸喜さんもそういう一人やったんやろう。「古畑任三郎」という自分の「コロンボ」を作ってしもうたくらいなんやから。「古畑」を初めて見た時に「ここにも同好の士はいる」と喝采したものです。
コロンボを語り出したらきりがない。私以上のコロンボ・フリークはようけいてはるからね。山岸真さん、冬樹蛉さんあたりとは一度夜っぴいてコロンボ談義をしたい。「溶けた糸」「二枚のドガの絵」「パイルD-3の壁」「断たれた音」あたりが私のベスト。一度シリーズが打ち止めになってから再開された「新・刑事コロンボ」は(まだすべては見てへんけれど)旧シリーズほどの切れ味には欠けるものの、それなりに健闘している。そやけどね、犯人が小物になり過ぎたきらいはあるなあ。
コロンボ以外やと、大泥棒の首魁を演じた「ブリンクス」や、女子プロレスのセコンドを好演した「カリフォルニア・ドールス」なんか、世間での評判は今ひとつやったけれど、私はけっこう好きやったなあ。あ、「ベルリン天使の詩」はちゃんと見てへんから語れへん。ちゃんと見ておきたい映画のひとつではあるんやけどね。
コメディ・リリーフの個性派脇役俳優が秀逸なテレビ・シリーズで脚光を浴び、映画でも主演をかちとった。優れた企画にしっかりとこたえる演技力があったればこそです。
謹んで哀悼の意を表します。
2011年06月27日
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ちなみに私のベスト1は「別れのワイン」です。
ドナルド・プリゼンスとピーター・フォークのやり取りが秀逸でした。
ところでコロンボの声は、やっぱり小池朝雄さんでないとダメですね。小池さんが亡くなってから石田太郎さんあたりが、やってましたが、違和感がありました。
日本語版コロンボのキャラクターはピーター・フォークと小池朝雄の二人で創りあげたものではないでしょうか。
ただ、石田太郎さんも私は評価しています。小池さんのつくったイメージを壊さないようによくがんばっておられたと思いますね。
あと、日本語版コロンボのキャラクターはピーター・フォークと小池朝雄の二人だけではなく、翻訳の額田やえ子さんの台本も非常に重要だと私は思うのです。「かみさん」「よござんすか」などの言い回しは額田さんの工夫だったそうですから。
最高傑作を選べと言われたら、やっぱり『別れのワイン』かなあ。
これ http://youtu.be/GnWScg95paA も大好きですねえ。
私はノベライゼーションを古本屋であさりまくりました。
「殺しの序曲」のラストも確かに鮮やかでした。終盤のシリーズではあとは「襲撃命令」くらいかな、鮮やかなのは。
「新・刑事コロンボ」はちょっと切れ味が鈍って強引に「鮮やかなラスト」を演出しようとしていたと思いますね。