2016年05月29日

モノクロはモノクロで

 土曜深夜にKBS京都で放送している「総天然色ウルトラQ」については以前この日記にも書いた。昨日の夜は「バルンガ」を放送。カラーで見る「ウルトラQ」は、本来のモノクロ映像と比べると、欠点が明瞭になってしまうているように思える。
 モノクロ用に撮影された特撮、あるいは本編の陰影が、カラー化したことによってその映像美を半減させているような気がしてならんのですね。最初からカラーで撮影された「ウルトラマン」以降のシリーズは、カラーであることを意識して怪獣を作っているし、明るめのライティングで不気味さよりも面白さを追求しているように思える。
 私は子どもの頃リアルタイムで「ウルトラQ」を見て泣いた記憶がある。どのエピソードかというと、なんと「SOS富士山」なのですね。大きくなってから見直して、どこが怖くて泣いたのか見当もつかんけれど、幼い私にはなぜかものすごく怖かった。
 これはやはりモノクロの効果やなかったかと思うのです。実はアニメ「どろろと百鬼丸」の「どんぶりばら」も怖くて泣いたのを覚えている。あれもモノクロならではの不気味さやったんでしょう。原作の漫画を後から読むと、まるで印象が違うのでびっくりした。
 モノクロ映画のカラー化というのは実験としては面白いけれど、モノクロやから出せる効果というものがあるので、むやみやたらにカラー化してはいかんと思うた次第。
 さて、「ウルトラQ」でいえば、陰影美で見せたケムール人の回はカラー化でどう印象が変わるか、少し楽しみなような怖いような気分であります。
posted by 喜多哲士 at 23:59| Comment(2) | TrackBack(0) | テレビ全般 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
個人的には、「ウルトラQ」のカラー化は控えめな発色で、いい感じに思います。ところで、「バルンガ」は今見ても見ごたえがありますね。「「育てよ!カメ」や「宇宙からの贈りもの」や「地底超特急西へ」は、今見ると、演出が古臭く見えてしまうのに、「バルンガ」は無駄のない展開で驚きます。
Posted by 小林泰三 at 2016年06月01日 02:09
「バルンガ」の提起している問題は、今なお古びていないという事なのではないかと思います。
私が一番楽しみにしているのは「あけてくれ」ですね。
あの異空間がどんな色で再現されているのか。
あの虚無感は現在にも通じるものがあると思いますからね。
Posted by t-kita at 2016年06月03日 00:27
コメントを書く
コチラをクリックしてください

この記事へのトラックバック