2025年03月02日

大阪・関西万博「失敗」の本質

 今日も朝から昨夜録画したアニメ「チ。」や「sakamato days」、「沖縄で好きになった子が方言すぎてツラすぎる」などを見る。昼食後、午睡。むやみに温く、体がだるい。夕刻起きて本を読んだり、社説のダウンロードをしたり。夕食後、妙にくしゃみが出て辛い。風邪をひいたのかな。薬を飲んだら治まった。明日からはお仕事の続き。手早くすませてしまうためにも、宿題をこの後すませてしまわねば。
 松本創・編著「大阪・関西万博『失敗』の本質」(ちくま新書)読了。本書が発行されたのは昨年の6月。大阪・関西万博の開催は今年の4月。つまり、万博開催の10か月前に本書は「失敗」と断じている。編著者によると、こういうイベントは実際に開催されてしまうと、なんとなく盛り上がって「成功」したような感じになってしまうので、その前に問題点を洗い出しておこうという意図があり、その問題点から「失敗」という結論を先に出しているというわけ。実際、あと1ヶ月ちょっとで開催というのに、1970年の万博のような期待感はない。本書で上げられた問題点は5つ。万博開催決定までの不透明さと維新府政、市政の思惑。夢洲での開催が決定に至った過程とこれまでの維新政治との関係。夢洲の立地条件の脆弱さ。広告代理店がかかわらないことによる万博協会の運営の迷走。万博を現時点で開催することに意義があるかどうか……。書き手はもと新聞記者や一級建築士、大学教授、そしてフリーのライターと、幅広い。いろいろな知見が示され、例えばIR・カジノ建設がからんでいることで、ギャンブル嫌いの読売新聞社、渡辺恒雄主筆(当時)が万博には協力しないことにした、など、あまり表に出てこない話も豊富に盛りこまれている。私も「今さら万博なんかやってどうする」と考えているんやけれど、「まず万博開催ありき」で理念も哲学もないということが本書で裏付けられていたりしていて、同感するところが多かった。実際、この万博でどういうものが展示されるかという情報は非常に少なく、それが盛り上がらない理由のひとつやと思う。いったいなんで万博をするのか、何を見せたいのかよりも、膨れ上がる予算、メタンガスによる爆発事故、アクセスの不便さ、目玉となるべき「空飛ぶ自動車」が運行できなくなった、前売り券を買うのに個人情報を登録しなければならないなどと、マイナスイメージばかり出てくる。さて、本書の指摘した問題点がどれだけ解決されるのか、「失敗」の予測は当たるのかどうか。それは万博開催後にはっきりするやろう。私は行く気は全くないけれどね。
posted by 喜多哲士 at 23:56| Comment(0) | 読書全般 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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