今日は月例の京都の医者行き。阪急の特急で上洛。診療のあとは、例によって母の入所している施設へ行き、面会。今月も元気そうにしていて、非常によかった。阪急の特急で帰阪。帰宅したら、妻は買い物に出ていたので、録画しておいたテレビ大阪のタイガース特番を見る。ロッチ中岡が森下や藤川監督にインタビューしたり、スタジオで岡田はんと鳥谷さんが注目の選手をあげたり、というような内容。妻が帰宅してきたので、寝床で社説のダウンロードやら読書やら。
夕食時にはやはり録画しておいたNHKBS「大相撲どすこい研」を見る。今場所のテーマは「ライバル」。いろいろな切り口からライバルを語っていて、楽しめた。個人的には「富士桜と麒麟児」の突っ張り相撲ライバルなんてところもお薦めなんやけれど、ちょっと古いか。やくみつるさんやデーモン閣下がいたらあげてたかもしれんな。
夕食後は寝床でスマホをいじったり読書をしたり。明日はしっかり午睡して来週のフル出勤に備えんとな。
平谷美樹「国萌ゆる 小説原敬」(実業之日本社文庫)読了。「大一揆」「柳は萌ゆる」に続く、盛岡を舞台にした歴史小説。以外にも原敬を主人公にした小説は今までなかったという。「柳は萌ゆる」の終盤で楢山佐渡の遺志を継ぎ、理想の国を作ると約束した原健次郎少年。その楢山佐渡の処刑から物語は始まる。明治政府に、時には食いこみ、時には遠ざけられ、また郵便報知新聞や大阪毎日新聞に勤めたりしながら、原敬は実力を蓄え、伊藤博文、西園寺公望のもとで政友会の重鎮となっていく。そしてついに藩閥政治家以外の、そして「賊軍」とされた盛岡藩出身者として首相の座に上り詰める。様々な障害を乗り越え、ついに政治家の頂点に立った原敬は政治改革を進めていくが、それに反発する者もおり、ついには現職のまま暗殺されてしまう。
本書ではスペイン風邪に対処する原の姿や、無責任に暴徒と化す大衆の姿が描かれる。作者の意識には、新型コロナ過での安倍内閣や、SNS上で、匿名で暴言を投稿する現代の人々と重ね合わせるものがあるのだろう。そして、それらに対して悠揚迫らぬ対処をする原敬の姿を描くことで、理想を現実に変えようとしていた、大正時代の政治家のたちと、首相になることが目的になっている理想なき現代の政治家たちを比較できるようにしている。作者がいかに原敬という人物を敬愛しているかが伝わってくる。幸い、原敬は日記をちゃんと残しているので、原の行動はよい部分も悪い部分も含めて明らかになっている。作者は、決して原を美化するのではなく、一人の人間として、その人物像を浮かび上がらせている。今後、明治終盤や大正時代を舞台にした歴史小説がもっと書かれるとよいのにと思う。「大一揆」から「原敬」まで。盛岡という地元にかかわる歴史を掘り起こし、小説としてその時代の人々をよみがえらせた作者の功績は大きい。
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