2026年03月02日

レベル7

 今日は出勤日。午前中は書類整理など事務作業。午後は会議など。天気予報通り、朝からどんよりと曇り、午後4時ごろから小雨が降り始める。
 帰路、本屋に寄って妻の「月刊フラワーズ」を買うてから帰宅。妻は私が出勤している間に日帰り帰省をしていた。
 帰宅後、寝床で読書。夕食後、またしばらく読書。疲れが出て、寝落ち。こういう日が続きそう。来週は入試。ここからが忙しくなってくる。
 宮部みゆき「レベル7」(新潮文庫)読了。記憶喪失となった男女がマンションの一室で目覚め、隣室のライター三枝とともに自分たちの素性を探し始める。一方、シングルマザーの悦子は、保険会社のカウンセラーをしていて知り合った高校生のみさおが行方不明になり、「助けて」という電話をかけてきたことから彼女の行方を探し始める。みさおの残した日記に書かれた「レベル7」という言葉を手掛かりに捜索を進める悦子と、自分たちが殺人事件の被害者の家族であることを突き止めた記憶喪失の二人は、どちらも東北にある精神病院「潟戸友愛病院」に秘められた秘密に行きついていく……という話。二つの全く無関係かと思われる物語が、少しずつ一つの事件に収斂していく筆致は、見事。まさに上質のサスペンス小説ですね。そしてその事件の真相にいたる途中で何度も読み手の予想を裏切る展開が続き、途中で本を閉じることを許さん。作者の初期の長編群を続けて読んでいるんやけれど、本格推理とサスペンス、そして人間関係の描き方の妙味がうまい具合に混ざり合い、本書もまたその筆力に唸らされた。若い頃、「クロスファイア」など少しだけ作者の小説は読んでいたんやけれど、なんでその時にこれらの長編にまで手をつけなんだのか不思議に思う。あ、そうか。その頃の私はSFマガジンの書評で架空戦記や伝奇アクションばかり読んでいて、「クロスファイア」もその一環で読んだんやった。つまり、あの頃は宮部作品にまで手がまわらなんだということなんやね。でもまあ、まだ頭がはっきりしているうちにこれらの傑作群を読む事ができているんやからよしとするか。宮部作品を一通り読んだら次は篠田節子作品に手をつけるつもりなんやけれど、宮部作品はまだまだ面白そうなのがようけあるからなあ。うーむ。
posted by 喜多哲士 at 23:59| Comment(0) | 読書全般 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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