2026年03月03日

亜愛一郎の狼狽

 今日は桃の節句。朝から雨。一日だるい。それでも出勤。
 午前中は会議。午後は事務作業。転勤が決まった同僚が片づけを始めだした。私は今のところまだ転勤という話は来てへんから、来年度も引き続き現任校で仕事ができるように準備をしているんやけれど、まだ油断は出けへん。昨年度の今頃もそのつもりやったのに、ふいうちのように転勤を告げられたからなあ。まあ1年でまたも飛ばされることはないと思うけれど。
 帰路、阪急は事故でダイヤの乱れがあったとかで乗り継ぎがよろしくなく、少し遅めに帰宅。まずは横になって一息つく。夕食前から、タイガースとWBC日本代表チームの強化試合を追っかけ再生で見る。主眼目は日本代表の選手やから仕方ないとはいえ、カメラはタイガースの選手のプレーはほとんど映さん。あまりにも日本代表に偏り過ぎてる。終盤、タイガースが反撃して、やっとカメラがタイガースの選手をアップにするようになった。私は日本代表チームよりもタイガースの選手を見たいんで、いらいらしながら見てたけれどね。
 夕食後も試合終了まで見てから、寝床で読書。そのまま寝落ち。だるさはなかなか取れなんだなあ。
 泡坂妻夫「亜愛一郎の狼狽」(創元推理文庫)読了。作者のデビュー作を含む8編を収録。探偵役の亜愛一郎はカメラマン。事件が起こったところに偶然居合わせ、巻きこまれるような形で関与し、最後に謎解きをするというパターン。愛一郎は常にあくまで傍観者で、推理力を発揮するのも別に頼まれてではなく成り行き上しかたなく、というところが面白い。デビュー作である「DL2号機事件」では偏執狂的な犯人の心理を見抜き、「右腕山上空」では熱気球のゴンドラの上で射殺された男の開放的空間の密室殺人を解く。「曲がった部屋」では何気ない仕草から真犯人を導き出し、「掌上の黄金仮面」ではあり得ない位置で射殺された被害者の死の真相をつく。「G線上の鼬」では何気なく発せられた言葉から殺人の真相にたどり着く。「掘り出された童話」では自費出版の絵本の文章に隠された暗号を解く。「ホロボの神」は南の島に戦時中の遺骨を探しに来た男の話から、当時起きた殺人の謎を言い当てる。「黒い霧」では書店街にまき散らされたカーボンの粉の謎から殺人事件があったことを言い当てる。いずれも練りこんだトリックと、ちょっとした隙をとらえる愛一郎の観察眼が見どころとなる。傍観者だからこそ見えてくる真相というところが面白い。切れ味がよいうえに、まるでモブキャラのように登場する愛一郎だからこそ犯人も油断してしまうというあたりがよくできている。短編ならではの小気味よさが際立つシリーズ。全3巻、愛一郎につきあっていきたい。
posted by 喜多哲士 at 23:59| Comment(0) | 読書全般 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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